"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。

脊椎の邦文(日本語)の症例報告はどこに投稿するか?

症例報告を英文誌に投稿したいものの、内容的に厳しそうだったり、初めての症例報告だったり、色々な理由で、日本語で書いて、邦文誌に投稿することがあると思います。 その場合、やはりどこに投稿すればよいか?という問題があります。 候補としては、 ・脊…

脊椎の症例報告をどこに投稿するか?(2)

以前、症例報告(ケースレポート、case report)をどこに投稿するか?というタイトルで記事を書きましたが、千葉大学の整形外科のホームページ内に、いくつかの投稿先が載っていました。 症例報告の投稿先 | 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 (chiba-u.jp) …

脊椎外科医は神経学診察、MMTの勉強から

幸いにも今の病院には、4月になると、脊椎手術の経験がない新しい先生が入ってきます。手術はまずは助手ですし、徐々に覚えてもらうとして、まず、必須なのが、神経学的診察だと思います。 参考書は、自分が脊椎を始めた10年くらい前のときには、整形外科医…

セメント注入が可能なpedicle screw

先日、MRさんが、日本からもセメント注入が可能なpedicle screwが出る、というような話を聞きました。実際に、どのくらいの有効性なのか、論文を見てました。 2015年にCLINICSから出ているのが、中国のFei DaiらのSurgical treatment of the osteoporotic sp…

ロボットを利用した頚椎スクリュー挿入

中国からの論文を目にする機会が多くありますが、頚椎スクリューを刺入する際に、ロボットにアシストをしてもらった方が、正確性が高い、という論文が出ていました(Fan M et al. Improved Accuracy of Cervical Spinal Surgery With Robot-Assisted Screw In…

3次元ロッドベンダー「Bendini」

longの固定をする際に、ロッドのベンディングに苦労させられることがあります。longの固定頻度が高いわけではないのですが、先日、胸椎からS2-alar-iliacまでin situでの固定を行った症例で、NuvasiveさんのBendini、ベンディーニを使いました。PPSで行った…

終板を貫いたpedicle screwの刺入法(Single or Double Endplates Penetrating Screw)

先日、Webinarで杏林大学の竹内先生がDouble endplates penetrating screw(DEPS)について講演してくれました。 pedicle screwのtrajectoryを頭側に傾けて、結果として、screwを刺入した椎体の頭側の終板およびその一つ上の椎体の尾側の終板の2つの終板(endpl…

脊髄損傷に対する再生医療、ステミラック治療の論文

以前、脊髄損傷の症例を、脊髄再生医療のひとつであるステミラック治療を札幌医大にお願いして、転院させて頂いたことがありましたが、その札幌医大から、ステミラック治療に関して、Phase 2のstudyで、13例のケースシリーズが出ていました。2021年2月のacce…

椎弓形成術後の後弯変形

先日、頚椎症性脊髄症で椎弓形成術を行った患者で、術後に首下がりになった症例を経験しましたが、頚椎椎弓形成術の術後の後弯変形に関して、興味深い論文がありました(Fujishiro T et al.Significance of flexion range of motion as a risk factor for kyp…

腰椎分離症について

先日、腰椎分離症の中学生の診察をしました。主訴は腰痛で、Xpを取ると、分離が疑われたので、CT検査したところ、片側の腰椎分離症でした。 分離症は、腰椎の進展、回旋が繰り返されることによる疲労骨折です。 腰椎分離症に関して、徳島大学の西良先生が解…

椎孔周囲スクリュー(paravertebral foramen screw: PVFS)

先日、Webinar("Web"と"Seminar" を合わせた言葉)で筑波大学の國府田先生が、頚椎後方固定術の基本について話をされていたので、それを聴講しました。 色々な解説があったのですが、その中で、PVFS(paravertebral foramen screw)について話がありました。私…

MRI所見でBKPの適応を考える

骨粗鬆症をベースにした胸腰椎圧迫骨折は、今後も増えていく疾患と思われ、それに対する外科的治療として、バルーン椎体形成術(BKP:Balloon kyphoplasty)があります。 その適応に関しては、色々と議論はあるものの、個人的には、保存加療で疼痛が改善しない…

周術期の抗血小板薬は中止するか?

高齢化に伴い、抗血小板薬内服症例の手術が増えています。 周術期に抗血小板薬を継続したままにするか、一旦、休薬するかどうかは、各施設や医師によって対応が違うように思います。 ・抗血小板薬を休薬すれば、血管系イベント発症のリスクが上がる。 ・抗血…

肩甲上腕反射(scapulohumeral reflex)による神経学的診断

先日、環軸椎亜脱臼によるC2歯突起偽腫瘍に、頚椎症性脊髄症を合併した症例を経験しましたが、画像上、C1およびC3/4レベルでの脊髄の圧迫があり、どちらが主たる問題か、診断する必要がありました。 このようなときに、有用かもしれないのが、肩甲上腕反射(…

O-C固定(後頭骨-頚椎固定)と嚥下障害

先日、O-C(後頭骨-頚椎)固定が必要と思われる症例があり、嚥下障害リスクを検討するために、以前、学会で聴講したSwallowing line(S-line)の論文を確認してみました。(Kaneyama S et al. The Prediction and Prevention of Dysphagia After Occipitospinal F…

LLIF後の腹筋麻痺

椎体間固定術に、LLIF(Lateral Lumbar Interbody Fusion:側方経路腰椎椎体間固定術)、が選択される頻度が高くなっているようです。 変性側弯などには非常に有効なアプローチだと思います。術後の合併症として、腸管や尿管、大血管などの損傷が知られています…

O-armのNavigationを利用した頚椎椎弓根スクリュー

先日、頚椎スクリューを挿入する際に使用するガイドテンプレートに関して、投稿しましたが、それほど一般的にはなっておらず、現状では、ナビゲーションシステムを利用している施設が多いかと思います。 多くは、術前のCT画像を利用したナビゲーションかとは…

手術が上手な医者の見分け方

手術が上手な医者の共通点は? 当たり前かもしれませんが、上手な外科医には、決断力と余裕がある、と思います。 決断力がある、というのは、その決断が必ずしも合っているとは限りませんが、決断することに時間をかけない、ということです。決断には、責任…

頸椎スクリューはテンプレートを使う

先日、頚椎後方固定で、テンプレートを使用した手術をみせて頂く機会がありました。 秋田脳血管研究所の菅原卓先生らが開発された技術です。 Sugawara T et al. Prospective Multicenter Study of a Multistep Screw Insertion Technique Using Patient-Spec…

椎弓形成術でC3椎弓は切除か形成か?

椎弓形成術(laminoplasty)において、 C3椎弓を形成すると、C2棘突起に付着する頸半棘筋(Semispinalis Cervicis)を剥がす必要があるため、術後の後彎変形や、C2棘突起と形成したC3椎弓が干渉するために、可動域が狭くなる、といった報告があります。 広島大学…

首下がり症候群

椎弓形成術後に、首下がり症候群(dropped head syndrome)(術後頚椎後弯変形というべきでしょうか…)を呈する例に、先日、初めて、経験しました。 術後、半年以上経ったあとで、首下がりになってしまいました… 術後の首下がり症候群のリスク因子としては、術前…

S1スクリューのコツ

経皮的椎弓根スクリュー(PPS; percutaneous pedicle screw)で、S1スクリューを入れるときに、腸骨棘が邪魔になり、スクリュー刺入点が内側になったり、角度が外側に向いてしまったりすることがありました。やむを得ないものと思っていましたが、 MISt手技に…

腰椎の再手術ではLIFが良い?

私のいる病院でも、LIF(lateral interbody fusion)を行っています。 医者によっては、後方からの固定術よりも、LIFを好む場合もあるようです。 1椎間や2椎間の手術において、個人的には、L4やL5のすべり症であれば、後方からのPLIF、TLIFで事足りるとは思っ…

患者さんは術者を指定した方がよい?

患者さんに、”手術は先生がされるのですか?”という質問をされることがあります。 患者さんは、誰が執刀してくれるのかは非常に重要なこと、と思っているようです。 患者さんからすれば、ある程度、経験豊富な人に手術をしてもらいたい、と思うでしょう。 確…

統計の勉強

論文を書こうとすると、統計学の知識が必須になってきます。 その際、どこまで知っておく必要があるのか、ということですが、個人的には、さほど深い知識はいらない気がしています。 臨床研究の指南書でも、統計学の深い知識は不要、と書いてあるものは散見…

クロスリンク(cross-link)は有用か?

脊椎の固定術で、クロスリンク(cross-link)を入れることがあります。 クロスリンクは実際に有効なのでしょうか? PPS(経皮的椎弓根スクリュー法)を使うようになって、クロスリンクを入れる頻度が減っていますが、オープンで椎弓根スクリューを入れた際には、…

椎弓形成術で、C2椎弓の処置をどうするか?

頸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)や頚椎症性脊髄症では、時々、C1やC2椎体レベルまでOPLLが発達していることがあり、C2椎弓切除が必要と考えられるケースがあります。 ・上位頚椎の固定をする際、C1後弓やC2棘突起に付着する筋群は基本的には、剥離する ことから、C…

患者さんにもらったマスク

外来で、頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)の術後の患者さんが、空いている時間で、 "マスクを作っている" といって、3枚のマスクをくれました。 その内の1枚が、こちらの写真です。 何となく、鬼滅の刃らしさがあるけど、カジュアルで、カッコいいです。 院内では使…

脊椎の手術で病院選びは重要か?

患者さんの背景(住んでいる地域、年齢やリサーチ能力など)にもよると思いますが、 脊椎の手術が必要になったとき、 どこの病院で手術を受けるか? というのは一番の悩み事だと思います。 私も、いくつかの病院で勤務をして、脊椎の手術をしてきましたが、 学…

脳神経外科か整形外科か

脊椎の手術は、脳外科と整形外科のいずれでも受けることができます。 患者さんは、別に気にしていない気もしますが、 どちらの科が良いか?と聞かれると、 科ではなくて医者による、 ということはありますが、 正直、学会レベルでの発表を聞いている限りは、…