"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

私の頚椎椎弓形成術

頚椎椎弓形成術は、大きく、

 ・片開き式

・両開き式

 に分かれます。

現在は、片開き式をされている術者が多い印象ですが、

私は両開きの指導を受けてきたので、両開き(Double open door)で、行っています。

 

手順としては、

 ・棘突起は、C3-6(7)まで正中縦割

(・C2は必要ならばDome)

C3椎弓は切除または部分切除

C4-6椎弓の形成(両開き)

・C7椎弓はdome、(必要ならば、形成)

 で行っています。

椎弓形成は、HOYAのアパセラムを用いています。

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手術時間は範囲にもよりますが、

最初は、2~3時間くらいかかりましたが、最近は、1時間30分くらいです。

以前、他施設で、片開きの手術をみせてもらったときに、1時間くらいで、早いなと思いましたが、正中切削が必要な分、手術時間は少し長めと思います。

 

C3椎弓に関しては、形成よりも切除の方が、術後の可動域制限が少ない、

 

という報告があり、切除にしています。

 

縦割した棘突起は、スペーサーに縫着して、形成すること、を試みています。

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ただ、術後にずれてしまっていることもあり、

無理に縫着しない方がいい気もしています。術後成績に何か差が出てくるほどの問題ではないと思いますが、いつか、このあたりも文献にまとめてみたいと思っています。