脊椎の手術後に、IV-PCA(in- travenous patient-controlled analgesia)という痛み止めの点滴をつなぐことがあります。
点滴の中身は、フェンタニルなどの医療用麻薬で、
患者さんに、ナースコールみたいなボタンを持ってもらって、痛いときには、そのボタンを押してもらいます。
ボタンが押されたときに、点滴から、痛み止めが注入されて、痛みが緩和される、という便利なものです。
ある患者さんが、退院するときに、いわれた言葉が、
「手術終わった後、先生が、"痛いよね?痛み止めのボタン、押しておくね"、といってくれましたね。どうもありがとうございました。」
そういうことは、はじめて言われたので、ハッとしました。
手術が終わって、患者さんが病室についたときに、覚醒していて、痛みが強そうだったので、
"痛いよね、この痛み止めのボタン、押しておくからね。"
というような感じで、やったことで、このとき、特別だったわけではないのですが、自分が思っている以上に、
患者さんは、有難いと思ってくれていた、ようです。
患者さんにしたら、医療者の言動で、
嬉しかったこと、嫌だったこと、色々あるんだと思います。
そのことを医療者に伝えることはそんなには多くない気がします。
何気ない言葉が、
患者さんの満足度を上げたり、下げたりするものなんだろうと思った体験です。