頸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)や頚椎症性脊髄症では、時々、C1やC2椎体レベルまでOPLLが発達していることがあり、C2椎弓切除が必要と考えられるケースがあります。
・上位頚椎の固定をする際、C1後弓やC2棘突起に付着する筋群は基本的には、剥離する
ことから、C2椎弓切除が必要であれば、C2棘突起に付着する筋群もある程度、剥離せざる得ない、
と思っていましたが、術後の後弯変形が知られており、C2椎弓、C2棘突起に付着する後方筋群は可能な限り、温存する方がよいと考えられ、C2椎弓切除に関して、文献を探してみました。
邦文検索で、東大の竹下 克志先生らが、骨・関節・靱帯(16(6) 581-58, 2003)に、
"頸椎症性脊髄症に対する縦割式椎弓形成術後の頸椎アライメント C2拡大の有無による相違 "
というタイトルで、
頚椎症性脊髄症において、
C2縦割、C2 dome、C2処置なし、の3群において、この順で、後彎(C2/7角の悪化)が進行した
と報告しています。特に、C2縦割では、かなり後弯は進行しています。
OPLLでは、骨化巣が、アライメント維持に関与する可能性を示唆するような論文もあるようですが、alignment維持には、C2棘突起に付着する筋群は重要なため、やはりこれは維持するべきで、C2椎弓切除は極力避け、やむを得ない場合には、domeにするべきかと思います(硬膜損傷リスクは上がりそうですが…)。