"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

S1スクリューのコツ

経皮的椎弓根スクリュー(PPS; percutaneous pedicle screw)で、S1スクリューを入れるときに、腸骨棘が邪魔になり、スクリュー刺入点が内側になったり、角度が外側に向いてしまったりすることがありました。やむを得ないものと思っていましたが、

MISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法―基礎と臨床応用

にそういった場合のコツが載っていました。

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スクリューを入れようとすると、上後腸骨棘に干渉する場合には、ノミで、落としてしまえばよい、ということです。

言われてみればその通りです。

ノミではなく、別にドリルで落としてもよいでしょう。普段、腸骨を削ったりという習慣がなく、目から鱗、という感覚でした。これからは、そのように対応しようと思います。

 

また、スクリュー先端を岬角に留置する、といった点も強調されています。

これは、以前、聞いたことがあり、意識していましたが、L4/5,5/S1の2椎間固定をした際、S1スクリューのlooseningを経験していて、そういった場合、S1スクリューの入れ方に問題があったのではないかと反省しています。

スクリュー位置、長さ、角度など、looseningを来さないような刺入をしないといけません。