手術が上手な医者の共通点は?
当たり前かもしれませんが、上手な外科医には、決断力と余裕がある、と思います。
決断力がある、というのは、その決断が必ずしも合っているとは限りませんが、決断することに時間をかけない、ということです。決断には、責任が伴いますが、術中など、速やかに決断をしなければいけない場面は多々あります。
色々な決断を先延ばしにする医師は、慎重、ともいえるかもしれませんが、決断力がない医師の手術は、微妙なことが多いように思います。
以前、TVで、脳動脈瘤の手術の特集をやっていたときに、ご高名な先生が、"動脈瘤にクリップをすることができないこともある。その場合には撤退することもある。"と術前に患者さんに説明されていて、それを"勇気ある撤退"と表現されていました。
手術は、手術前のプランニングが重要ですが、術中も予想外のことが起こることがあり、状況によっては、引き下がることも含めて、その都度、決断を迫られます。手術中は、決断の連続ともいえるかもしれません。
余裕がある、ということですが、これは、経験に裏打ちされているのか、元々の性格なのかわかりませんが、上手な術者は、見ていて、余裕を感じます。集中していても、周りが見えている、という感じです。
手術中、バタバタするようなことはほとんどない。そして、急いでる感じはないのに、手術は早い。
手術以外で、忙しいであろうときにも、余裕をなくすような、いわゆる"テンパった状態"にはならないように思います。
では、患者さんは、どのようにして、医師に余裕があるか、決断力があるか、を見分ければよいでしょうか?
余裕があるかどうかは、外来の様子で何となくわかるかもしれません。
外来のスタンスの問題もあるかもしれませんが、余裕がない医者の外来は、忙しいときに、医者がバタバタしてます。
余裕のある医者は、外来が混んでいて、周りはバタバタしていても、医者は淡々としています(かなり主観的な意見でしょうか…)。
決断力があるかどうかは、ひとつは、手術の術式を患者に決めさせるような医師は、微妙なのではないか、と思います。つまり、脊椎でいえば、固定術を行うかどうかを、患者さんの希望に任せる、あるいはアプローチを背側か側方か、というのを患者に聞くような医師は、注意した方がいい気がします。
また、質問をしたときに、有耶無耶な返答であった場合なども、注意が必要です。できる医師は、知らないときには、"知らない"、"わからない"、とはっきりいう気がします。
参考文献等はなく、かなり、個人的な意見でも申し訳ないです…