"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

終板を貫いたpedicle screwの刺入法(Single or Double Endplates Penetrating Screw)

先日、Webinarで杏林大学の竹内先生がDouble endplates penetrating screw(DEPS)について講演してくれました。

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pedicle screwのtrajectoryを頭側に傾けて、結果として、screwを刺入した椎体の頭側の終板およびその一つ上の椎体の尾側の終板の2つの終板(endplate)を貫く刺入法です(Takeuchi T et al. Results of Using a Novel Percutaneous Pedicle Screw Technique for Patients with Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis-The Single or Double Endplates Penetrating Screw (SEPS/DEPS) Technique. Spine Surg Relat Res. 2020)。

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骨質の良いところを貫、というコンセプトは、CBTとも同じかもしれません。

刺入した椎体の頭側の終板のみを貫くものはsingle endplates penetrating scre (SEPS)と言うようです。

DISHの後方固定での使用経験の論文ですが、これによると、通常のTrajectory(conventional)で行ったPSよりもトルクは1.34倍だったとのことです。平均22か月のフォローアップで、SEPS/DPESでは、70本入れて、Looseningしたスクリューはゼロ、conventinoalな刺入法では、116本中、12本でLooseningを来たした、とのことです。

先日、スクリューがバックアウトした症例のRevisionがあり、違うTrajectoryが取れることから、Relineを使ってやってみました。

スクリューが終板で蹴られて、貫通できないスクリューがありました。Probe(PAKニードル)をしっかり抜くのが大事だと思われます。そして、ガイドワイヤーは、スクリューが終板を貫通するまで置いておいた方がよいかもしれません。確かにトルクは良かった気がします。

腰椎は前弯していると難しいかもしれません。