私のいた病院では、使う機会のなかったDuraGenですが、先日、Duragenを使っているところを見学させて頂く機会がありました。硬膜の元になる、という意味のDura-genですが、重宝している先生も多いのでしょうか。
私は、硬膜形成が必要な場合、primary closure(使えるときにはクリップを使用)した後、ネオベールとベリプラストを使用していました。画像はテンティング用の糸もかかっています。
ただ、ネオベールとベリプラストは報告されているほど、髄液漏がない、ということはなく、primary closureがtightにできないような、硬膜欠損が生じているようなケースなどで、髄液貯留が生じて、再手術になることもありました。
Duragenは、髄液漏予防に、より有効の可能性があります。
脊椎脊髄手術におけるDuragenⓇの髄液漏防止効果の検討 (jst.go.jp)
特に、ネオベールと異なり、水との親和性があり、表面張力で組織と密着する、とあります。今後、機会があれば、Duragenを使用してみたいと思います。
Duragenを使用したいのは、primary closureが難しい硬膜欠損などのケースですが、この論文では、腰椎レベルでは、立位時などで髄液圧が上昇するために、髄液漏が生じやすくなる、とあります。やはり、万能ということではないかとは思いますが、色々と選択肢が増えるのはありがたい限りです。