先日、L2/3のModic changeを伴う椎間板性腰痛の患者さんが、保存的加療で良くならず、良くなる可能性があるなら手術を受けたいと、脊柱管狭窄もなく適応としては、微妙だったものの、希望も強かったため、1椎間のLLIFおよびPPSを行いました。
椎間板性腰痛に対する治療は、鎮痛薬による対処療法、椎間板ブロック、椎間板内熱凝固、抗生剤治療、腰椎椎体間固定術、後方固定術など色々と行われてはいるようですが、個々の症例に応じて適宜、検討される、というのが現実かと思います。
Modic changeを伴う椎間板性腰痛に対するアモキシシリンの治療の有効性に関して、BMJでも報告されていて(世界4大医学誌)、残念ながらRCTでは、有意差はでなかったようです(Bråten LCH et al. Efficacy of antibiotic treatment in patients with chronic low back pain and Modic changes (the AIM study): double blind, randomised, placebo controlled, multicentre trial. BMJ. 2019)。BMJにも載るくらいなので、かなり注目度は高い話と思われます。
今回は、LIFとPPSで固定しましたが、LIFは大きなケージが入るので、椎間板廓清後、椎間の安定性という点では、有効なようには思いますが、終板の安定性に関して不安がありますが、最近の論文では、Modic changeやシュモール結節などがあっても、OLIF後、Subsidanceなどは問題にならなかったとする報告がありました(Chung NS et al. The Impact of Vertebral End Plate Lesions on the Radiological Outcome in Oblique Lateral Interbody Fusion. Global Spine J. 2020.)。