"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

腰椎の再手術ではLIFが良い?

私のいる病院でも、LIF(lateral interbody fusion)を行っています。 医者によっては、後方からの固定術よりも、LIFを好む場合もあるようです。 1椎間や2椎間の手術において、個人的には、L4やL5のすべり症であれば、後方からのPLIF、TLIFで事足りるとは思っ…

患者さんは術者を指定した方がよい?

患者さんに、”手術は先生がされるのですか?”という質問をされることがあります。 患者さんは、誰が執刀してくれるのかは非常に重要なこと、と思っているようです。 患者さんからすれば、ある程度、経験豊富な人に手術をしてもらいたい、と思うでしょう。 確…

統計の勉強

論文を書こうとすると、統計学の知識が必須になってきます。 その際、どこまで知っておく必要があるのか、ということですが、個人的には、さほど深い知識はいらない気がしています。 臨床研究の指南書でも、統計学の深い知識は不要、と書いてあるものは散見…

クロスリンク(cross-link)は有用か?

脊椎の固定術で、クロスリンク(cross-link)を入れることがあります。 クロスリンクは実際に有効なのでしょうか? PPS(経皮的椎弓根スクリュー法)を使うようになって、クロスリンクを入れる頻度が減っていますが、オープンで椎弓根スクリューを入れた際には、…

椎弓形成術で、C2椎弓の処置をどうするか?

頸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)や頚椎症性脊髄症では、時々、C1やC2椎体レベルまでOPLLが発達していることがあり、C2椎弓切除が必要と考えられるケースがあります。 ・上位頚椎の固定をする際、C1後弓やC2棘突起に付着する筋群は基本的には、剥離する ことから、C…

患者さんにもらったマスク

外来で、頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)の術後の患者さんが、空いている時間で、 "マスクを作っている" といって、3枚のマスクをくれました。 その内の1枚が、こちらの写真です。 何となく、鬼滅の刃らしさがあるけど、カジュアルで、カッコいいです。 院内では使…

脊椎の手術で病院選びは重要か?

患者さんの背景(住んでいる地域、年齢やリサーチ能力など)にもよると思いますが、 脊椎の手術が必要になったとき、 どこの病院で手術を受けるか? というのは一番の悩み事だと思います。 私も、いくつかの病院で勤務をして、脊椎の手術をしてきましたが、 学…

脳神経外科か整形外科か

脊椎の手術は、脳外科と整形外科のいずれでも受けることができます。 患者さんは、別に気にしていない気もしますが、 どちらの科が良いか?と聞かれると、 科ではなくて医者による、 ということはありますが、 正直、学会レベルでの発表を聞いている限りは、…

原著論文を書くとき、何を参考にしたら良いか?

論文を書く際の参考書は、多く出版されています。 私も、良さそうな本は、とりあえず、買ってみるタイプなので、似たようなものを複数冊持っています。 原著論文(Original article)の書き方をイチから指導してくれるような、そんな上司がいたら、その人に指…

痛み止めのボタン (IV-PCA)

脊椎の手術後に、IV-PCA(in- travenous patient-controlled analgesia)という痛み止めの点滴をつなぐことがあります。 点滴の中身は、フェンタニルなどの医療用麻薬で、 患者さんに、ナースコールみたいなボタンを持ってもらって、痛いときには、そのボタン…

病気をみつけられなくて、ごめんなさい

患者さんから指摘されて、初めて、言葉の重みに気付かされることがあります。 それは、良い意味でも、悪い意味でも、なのでしょう。 ただ、それを実感する機会は少ない気がします。 つまり、医者は患者さんの思いに気付かない… もらった手紙で、ハッとしたこ…

脊髄の再生医療とステミラック

先日、札幌医科大学へ転院搬送となった患者の家族からお礼の手紙が来ました。 海で遊んでいて発症した、 ASIA分類Aの脊髄損傷の患者です。 脊髄損傷の分類には、ASIAやFrankelなどありますが、 Grade Aは、最重症で、障害レベル以下の完全麻痺です。 頚椎損…

私の頚椎椎弓形成術

頚椎椎弓形成術は、大きく、 ・片開き式 ・両開き式 に分かれます。 現在は、片開き式をされている術者が多い印象ですが、 私は両開きの指導を受けてきたので、両開き(Double open door)で、行っています。 手順としては、 ・棘突起は、C3-6(7)まで正中縦割 …

脊椎の症例報告をどこに投稿するか?

脊椎の症例報告(ケースレポート、case report)を、どこに投稿するか、 ということですが、もちろん、 Neurosurgery、Journal of Neurosurgeryなどの雑誌でも、 症例報告は散見されることからは、非常に価値の高いものであれば、これらに投稿してみるのが良い…

症例報告(ケースレポート)の書き方

最近は、後輩の指導も仕事となり、症例報告(ケースレポート)の添削をする機会も時々、あります。 脳神経外科専門医取得には、査読付きの論文のアクセプトが必要になっていることも影響しているかもしれません。 症例報告を書いたことがないDrに、私がまず、…

内視鏡でできますか?(脊椎の内視鏡手術)

基本的に、内視鏡手術をしていないため、外来で、患者さんに手術の説明をしていると、少し、ムッとする質問が、 "内視鏡で、できますか?" です。ムッとしてはいけない、と抑えながら、説明を続けるのですが、 ムッとする理由は、2つあるように思います。 ひ…

学位は取るべきか?

医学博士を取得するかどうかは、医者のキャリアパスでひとつの悩みどころではないでしょうか。 学位をとるには、 ・大学院に進学して、甲で取得 ・大学院にはいかずに、論文を提出しての、乙での取得 のいずれかになります。 恐らく、旧国立(私立も一部はそ…

脊椎の論文をどこに投稿するか?

脊椎の論文を書いた後、どこに投稿するか、ということですが、少し前の記事ですが、ネットで検索すると、かなり前の記事ですが、 整形外科医のための英語ペラペラ道場: 脊椎の英語論文をどこに投稿するか? (seikei-eigo.blogspot.com) を参考にしました。 S…