"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。

椎孔周囲スクリュー(paravertebral foramen screw: PVFS)

先日、Webinar("Web"と"Seminar" を合わせた言葉)で筑波大学の國府田先生が、頚椎後方固定術の基本について話をされていたので、それを聴講しました。

色々な解説があったのですが、その中で、PVFS(paravertebral foramen screw)について話がありました。私自身は、PVFSを入れた経験がないので文献をみてみました。千葉大学の牧先生らのJNS論文の他に、臨床雑誌整形外科2018にも解説が出ていました(Maki S, et al. Paravertebral foramen screw fixation for posterior cervical spine fusion: biomechanical study and description of a novel technique. J Neurosurg Spine. 2017)。

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講演では、LMS(lateral mass screw)が3.5mm径で14mm前後の刺入で、固定性を得るのに対して、PVFS10か12mm程度の長さになるので、3.5mmでは固定力が不十分で、4.5mmを使用するとのことです。また、PVFSは、外側塊が壊れてしまったなどで、LMS刺入がうまくいかなかったときに、サルベージとしても使えるとのことでした。

PVFSの刺入点は、PS(pedicle screw)と同じ高さで、内外側はLMSと同様とのことです。したがって、内外側位置がLMSとPVFSで同じのため、ロッドの連結も問題がないようです。

論文では、固定性に関しては、PS>PVFS>LMSとあります。PVFSで固定性がよいのは、PVFSの先端は、骨密度の高い椎弓根入口部をとらえているため、と考察されています。LMSがカットアウトしたときのみならず、最初からPVFSを選択するということでも良いのかもしれません。