"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

ペディガードとSpineGuard

先日、脊髄外科学会がありました。その中に、PPSの穿刺の際に使うペディガードというプローブの報告がありました。ペディクル壁や椎体の穿破が発生する前に、音と光で警告を発する補助的な機能が付いています。

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 Jプローブの代わりになるようなものですが、音が出るようで、その音が、先端の位置が、海綿骨内では、通常のリズムで、皮質骨に近づくと低い音程に代わるとのことです。皮質骨を穿破すると、高い音程、早いリズムになり、警告してくれる、ということでした。

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PPSは、普段はJプローブを使用していますが、同様な感じでできるのであれば、得られる情報量が増えるという点では、意義があるように思います。

SpineGuardという会社から出ているようですが、HPをみると、国内にあるかどうかはわかりませんが、Pedicle screw挿入の際にも同様の警告音を鳴らしてくれるものがあるようで、ガイドなしで、Directにscrewが刺入可能と謳っています。

SpineGuard, Real Time Sensing DSG Technology, PediGuard, Spine

ある発表者も言っていましたが、最近は、ナビゲーションしかり、色々な補助デバイスが出てきて、手術を安全に行うためのサポートが増えてきていると思います。その点では、透視のみで安全に手術をしている達人に比べて、術者の手術的な力量は下がっているのかもしれません。ただ、その分、若いDrも比較的、早い段階で術者ができるようになっている、というような側面もあるかもしれません。