"せきつい"ブログ

脊椎専門の脳神経外科医のブログです。脊椎手術や学術に関する私見、患者さんとの会話、助言など、記録にしています。 また、アメリカ留学中のイベントなどについても書き込みしています。

外視鏡、ORBEYE(オーブアイ)について

当科には外視鏡オリンパス社のORBEYEが導入されています。実際に使っているのは、脳腫瘍手術を行う一部の医師のみですが、先日、その手術を見学しました。

オリンパス社のORBEYEは、ソニーとの共同開発のようです。

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ORBEYE | 手術用顕微鏡システム | 製品情報 | メディカルタウン 脳神経外科(手術用顕微鏡) | オリンパス (medicaltown.net)

ソニーグループポータル | テクノロジー | Stories | 医療分野に打ち込んだ大いなる一手『ORBEYE(オーブアイ)』※ が生まれるまで (sony.com)

先日、第1回の研究会があったようです。

第1回外視鏡手術研究会.pdf (marobon.com)

3Dをみるときには、3D用ゴーグルが必要になりますが、2Dと3Dの切り替えが可能で、マクロのときには2Dで、マイクロ顕微鏡を導入するようなシーンでは3Dに切り替えて、拡大視野で手術を行うことが可能です。カメラが邪魔になるような印象もありますが、拡大率も高く、よく見えます。手術に携わるすべての人が術野を共有できるというメリットがあります。

マイクロを使わないような手術でも、皮膚切開から記録用に使うことも可能です。

カメラの入る位置が、術者と被らないこともあり、脊椎手術で、非常に有用なのではないかと思います。あと、マイクロを使うよりは、準備が楽、という点で、末梢神経手術でも有用かもしれません。手根管手術は、マクロで行っていましたが、その場合、記録に残らない、という問題がありますが、こちらであれば、記録が可能です。

ORBEYEを用いた脊椎手術に関しては、学会発表もあり、されている先生はそれなりにいらっしゃるのかもしれません。

今後、脊椎手術や末梢神経手術は、マイクロではなく、この外視鏡での手術を行ってみたいと思います。